子どもが「正解探し」をするようになる本当の理由――20年の教師経験から見えてきたこと

「先生、これで合ってますか?」

自分の意見を言う前に、まず私の顔を見る。

20年間、小学校の教師をしてきた私が教室で何度も見てきた場面です。

最初は「この子は慎重なんだな」と思っていました。でも同じような子が何人もいて、あることに気づきました。

これは性格じゃない。生き抜く術として覚えた行動だ。

「正解探し」の子どもは、なぜ生まれるのか

その子たちに共通していたことがあります。

自分の意見を言ったら否定された経験。
失敗したら強く責められた経験。
期待通りにした時だけ褒めてもらえた経験。

そんな経験が積み重なると、子どもは学んでいきます。

「自分の本音を出すより、大人が喜ぶ答えを言った方が安全だ」と。

これは子どもが悪いわけじゃありません。その環境の中で、賢く生き抜いてきただけです。

大人が本音で生きていないと、子どもに何が起きるか

ここで一つ、聞いてほしいことがあります。

その「正解探し」をする子どもの親御さんと話すと、多くの場合、親御さん自身も同じように生きていることが多いんです。

我慢して、合わせて、いい顔して。

自分の気持ちより周りの期待を優先して。

気づいたら自分で自分を幸せにする方法がわからなくなっている。満たされないからイライラする。そのイライラが、一番近くにいる子どもに向いてしまう。

子どもはその空気を敏感に感じ取ります。

「本音を出すより、合わせた方が安全なんだ」

言葉で教えていなくても、大人の在り方から学んでいく。

連鎖していることに気づいてほしい

本音を出せない子どもは、大人になっても同じように生きます。

人の顔色をうかがって、自分を押し殺して。「自分がどう生きたいかわからない」「何をしても満たされない」と悩む大人になっていく。

これは一人の問題じゃなく、連鎖しています。

でも、連鎖は止められます。

大人が本音を取り戻すことから始まる

「じゃあどうすればいいの?」

完璧に本音で生きる必要はありません。

ただ、こう問い続けるだけでいい。

「私は今、子どもに期待を押しつけていないか」
「この子の本音を聞こうとしているか」
「私自身、自分の本音をごまかしていないか」

子どもは大人の言葉より、大人の在り方を見ています。

親が少しずつ自分の本音を大切にし始めると、子どもも少しずつ「自分はどう思う?」と自分の心に戻れるようになります。

連鎖を止める第一歩は、大人が自分の本音を取り戻すことから始まります。

まとめ

子どもの「正解探し」は、子どもの問題ではありません。大人が知らないうちにつくってきた空気の中で、子どもが精一杯生き抜いてきた結果です。

だからこそ、責めなくていい。

まず大人が、自分の本音を少しずつ取り戻すところから始めましょう。

それが子どもの主体性を育てる、一番の近道だと思っています。


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