「ありのままを認める」を誤解していた――行動は正す、でも存在は否定しない

「ありのままを認める」という言葉を、私は20年間、教師として使ってきた。

でも正直に言うと、最初はこの言葉の本当の意味がわかっていなかった。

「ありのままを認める=何でも許す」だと思っていたからだ。

それは違った。

「何でも許す」は、子どもの成長を止める

ある時、クラスの男の子が授業中に立ち歩き、他の子のものを勝手に触った。

「ありのままを認める」という言葉を盾に、私は何も言わなかった。

するとその子はどんどんエスカレートし、クラスが落ち着かなくなった。

それは「認める」ではなく、「放置」だった。

子どもの成長のためには、行動に対して正直に向き合うことが必要だ。

「ありのままを認める」の本当の意味

私が20年かけて気づいた「ありのままを認める」の本当の意味はこれだ。

行動は正す。でも、存在は否定しない。

「それをやってはいけない」と伝える。でも「だからあなたはダメな子だ」とは言わない。

「宿題をやらないのはいけない」と伝える。でも「宿題をやらないあなたはダメだ」とは言わない。

行動(ルール)は正す。
でも感情(気持ち)は受け止める。
そして存在(その子そのもの)は絶対に否定しない。

この3つが揃って初めて、「ありのままを認める」になる。

具体的には、こう言う

NG:「なんでそんなことするの!ダメな子ね」
→ 行動も存在も一緒に否定している

OK:「それはやめよう。でも、あなたがそうしたくなった気持ちは聞かせて」
→ 行動は止める。でも気持ちと存在は受け止める

子どもは「行動を止められること」には耐えられる。でも「存在を否定されること」には、深く傷つく。

「ありのままを認める」は、甘やかすことではない。存在を大切にしながら、成長を支えることだ。

大人も同じ

これは子どもだけの話ではない。

大人も、「あなたのやり方は間違っている(行動への指摘)」と「あなたはダメな人間だ(存在の否定)」は全然違う。

子どもに「ありのままでいい」を伝えたい大人が、まず自分自身に「行動は変えていい。でも存在はそのままでいい」と言えるようになること。そこから始まると思っている。


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